中国で唯一のカジノ合法地区
マカオに群がる人々
4月27日、日本政府はカジノを含む「統合型リゾート(IR)実施法案」を閣議決定し、国会へ提出した。時を同じくして、筆者は“IR”といわれるマカオのカジノに足を踏み入れたが、そこは見たこともない異次元の世界が広がっていた。
もともと、中国本土には競馬、競輪、競艇、パチンコがない。というのも、中国政府が社会の治安と秩序を乱す恐れがあるとして、これらを禁止してきたからだ。
その例外がマカオ。そのマカオにカジノができたのは2003年のことだ。マカオ特別行政区は、中国でカジノが合法とされる唯一の都市だ。そんなマカオのカジノ産業は、今やラスベガスを抜き世界最大規模にまで成長した。
香港・尖沙咀のフェリーターミナルから、高速フェリーに乗り、一路マカオへと向かった。あまりの揺れに、船内では“苦しい1時間”が続く。ようやくマカオの船着き場に下り立つと、無数の無料送迎バスが観光客を待ち構えていた。
賭博以外の目的でマカオを訪れた観光客はいないと見え、大半がこれに乗り込む。筆者も「ギャラクシー・マカオ」行きの送迎バスに乗り込んだ。「ギャラクシー・マカオ」といえば、日本進出に最も熱心な香港資本のカジノ大手「ギャラクシー・エンターテインメント(銀河娯楽集団)」が運営する施設である。