全国高校野球選手権大会(夏の甲子園)が6日に開幕する。高校野球に関するさまざまな批判は一旦、脇に置き、今大会の見どころをお伝えしよう。
高校ビッグ4と呼ばれた好投手のうち、今回の甲子園に登場するのは星稜の奥川恭伸投手ただ1人。他の3人、佐々木朗希(大船渡)、西純矢(創志学園)、及川雅貴(横浜)はいずれも地方大会で敗れた。だが、ほかにも楽しみな選手は目白押し。この大会で一気にスターダムにのしあがる選手もいるだろう。
夏の甲子園の見どころは多々あるが、本稿では3つの観点から注目ポイントを紹介したい。
1)優勝を争う強豪校
2)活躍が期待される選手
3)ちょっと気になる「裏側」的な関心事
優勝争いの本命は4つの強豪校
東海大相模は神奈川大会で圧勝!
優勝を争う強豪と目されるのは、東海大相模(神奈川)、星稜(石川)、近江(滋賀)、智弁和歌山(和歌山)あたりか。
東海大相模は強豪ひしめく神奈川県大会を圧勝して甲子園出場を決めた。準決勝(対相模原)は11対2、決勝戦(対日大藤沢)は24対1。その隙のない攻撃力は、甲子園でも脅威になるだろう。
星稜は、奥川という絶対的な存在を中心に据えながら、準々決勝、準決勝は厳しい接戦の末に勝ちあがった。それだけにチーム力はいっそう磨かれたかもしれない。準決勝ではリードした場面で奥川がリリーフに立ち、逆転された。するとすぐ奥川がホームランを打ち、同点に追いつく。さらには次の打席で2ランを打ち、逃げ切った。打者・奥川も相手チームには怖い存在だ。優勝すれば石川県勢としては初となる。
近江もまた滋賀県勢として初の優勝を狙う。昨年の経験者を多く残し、総合的なチーム力で勝ちあがる可能性は十分。昨夏は準々決勝で金足農に惜敗(3対2)したが、そのときのバッテリーが今年も健在。投手・林優樹、捕手・有馬諒という3年生になった2人を中心にレベルの高い野球を展開するだろう。