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レビュー

『ランキングのカラクリ』書影『ランキングのカラクリ』 谷岡一郎著 自由国民社刊 1512円

 雑誌やテレビでは「住みたい街」「大学」「理想の上司」「赤ちゃんの名前」など、本当にさまざまなランキングを目にする。だがその順位、本当に信じていいのだろうか? そうしたランキングには、スポンサーの思惑が絡んでいる場合もあれば、偏った調査結果のものも多い。すべてが害のあるものというわけではないが、ランキングといっても千差万別、玉石混交なのだ。重要なのは、有害なランキングを見極める目を養うことであり、本書『ランキングのカラクリ』の目的もまさしくそこにある。ランキングをつくる正しい方法論を学び、背後にあるカラクリを知れば、いい加減なランキングでも害を最小限にして楽しめるはずだ。

 著者はランキングを4つに分類して考えてみてはどうかと提案している。(1)良いランキング、(2)個人にとっては有用性のあるランキング、(3)巷間で信じられているランキング、(4)話のネタレベルのランキングである。使い方を間違えなければ、ランキングは役に立つし、話のネタとしてもおもしろいものだ。

 自分でしっかり考えながら本書を読めば、教養としての統計学が自然と身につくだろう。ビッグデータなどの「数字」が注目される時代だ。ぜひ数字とデータの「正しい」読み方や解き方を学び、今後に活かしていただければと思う。(加藤智康)