咳喘息には副作用が心配ない
吸入用ステロイドが有効

 私は、咳喘息と判断すると吸入用ステロイドの処方をすすめます。これは気管支喘息に使用することが多く、効果的です。ほかの治療薬に比べて、効果が期待されます。

 吸入用ステロイドはステロイドの粉を吸い込み直接気管に散布するものです。ステロイドというと、副作用の心配をされる方が多いのですが、副作用がでる場合はステロイドの内服薬を口から飲んだ場合です。

 吸入用ステロイドは飲み薬ではなく、外用薬として位置づけられています。全身に届かないため、副作用がほぼありません。気管支喘息の方が最近入院することがほとんどないのはこの吸入用ステロイドのおかげです。吸入用ステロイドを咳喘息に使用すると2日か3日で咳が気にならなくなるため、服用をやめてしまうことがあります。私は、吸入用ステロイドは少なくとも2週間服用し続けることをお勧めしています。

 このように、咳喘息は咳が続くため少々厄介ですが怖がるものではありません。発生するメカニズムを知っていただければ、安心して帰る患者さんも多く見られます。

 咳が続くのは何かと辛いですが、実は心配いらない疾患なのです。


旭 伸一

【医学博士、日比谷公園クリニック院長、医療法人社団旭光会理事長】

1963年福井県生まれ。1989年自治医科大学卒業。10年間は福井県立病院・県内診療所にて地域医療に従事。2007年喫煙と飲酒の健康影響を研究し医学博士取得。日比谷公会堂地下に日比谷公園クリニックを立ち上げ第一線で検診・総合診療を幅広く実践している。地域に溶け込む全人的医療こそが早期発見・確実治療の原動力だと考えている。日本医師会認定産業医、日本内科学会認定内科医。