友達に自慢できる仕事が
モチベーションを上げる

 金田氏が行ったのが、新卒社員それぞれに小さなミッションを与えることだった。

金田博之(かねだ・ひろゆき)/1975年山口県下関市生まれ。大学卒業後、グローバルに展開する外資系大手ソフトウェア企業SAPに入社。以来、入社1年目で社長賞受賞、29歳で副社長補佐、30歳で部長に着任、35歳で本部長に昇格。SAP全社10万名のなかのハイパフォーマンス(上位2%)を挙げた人物に7年連続で選抜される。2007年、INSEAD大学でエグゼクティブMBAを卒業。日本の大手製造・流通企業ミスミでGMとしてグローバル新規事業を推進した後、現在はNASDAQに上場している外資系IT企業「ライブパーソン(LivePerson)」の日本法人代表。勉強会を定期的に開催し、参加者は累計1000名を超える。現役のサラリーマンでありながら、これまで8冊の書籍を出版。プレジデント、ダイヤモンド、東洋経済、日経ビジネスアソシエなど各種メディア掲載実績多数。オフィシャルメルマガは2017年・2018年それぞれまぐまぐ大賞を受賞。メルマガ:金田博之のたった一冊のノートで出世する「一流のグローバル人材」への確実な道

「組織の知識を整理して、情報共有の仕組みを高度化するための方法や、会議の生産性を向上させるための施策などのミッションを与えます。ポイントは、調べて、考えられるミッションであることです。責任ある仕事を個人的に任されて、モチベーションが上がるという理由ももちろんありますが、実際のところ、『友達に自慢できる仕事』というのが重要だったりします」

 新卒社員たちは、最初のうちは大学時代のメンバーで集まることも少なくない。そのときに、自信を持って伝えられる仕事であることは、大きなモチベーションになるのだ。これが意外と有効なのだと金田氏。

「また、ミッションを与えることで、上司と会話するための共通言語が生まれるというメリットもあります。自分が会社に入ったばかりのころを振り返るとわかると思いますが、新人のうちは上司と会話しようにも共通言語がないため、話しようがありません。それは上司も同じはずです。共通のテーマを作ることは、むしろやっておくべきことです」

 スタートの段階で共通言語を作ることが、後々、「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」ができる新人社員を育てるのだ。

「新卒社員の教育に悩んでいる人に話を聞くと、『新人がホウレンソウをしてくれない』という声が圧倒的に多いです。しかし、ホウレンソウができない原因は、会話の接点がないことにあります。新卒社員といかに接点を作れるかが、教育のベースになるわけです」

 上司と会話の接点を作ることは、新卒社員に会社の景色を見せることになる。デキる上司には、共通のテーマをできるだけ多く作ることが求められているのだ。