国内流通総額が24四半期目で初の減少
「夏場は単価が下がる季節性要因」

 メルカリの収入源は、ユーザー間の売買に伴う、10%の手数料収入だ。そして、取引が活発に行われていることの指標でもある流通総額が、成長のバロメーターである。

 国内メルカリ事業の流通総額は、13年7月のサービス開始以降、四半期ベースで一度も落ちることなく右肩上がりの成長を続け、19年6月期の第3四半期は1330億円まで達した。

 ところが、19年6月期の第4四半期は1292億円。前四半期から約3%減り、24四半期目にして初めて流通総額が減少に転じたのだ。

 この理由について、長澤啓CFO(最高財務責任者)は、「季節性なもの。取引の多い衣料品は、夏場はTシャツなど単価の安いものが増え、流通総額が伸びにくい」と説明。また、今年の大型連休が通常よりも長かったことを理由に挙げた。

 加えて、小泉文明社長は、「月間アクティブユーザーは順調に伸びており、頭打ちではない。過去の第4四半期は積極的に広告で押し上げていた」と主張する。

 しかし、国内事業の第3四半期と第4四半期の広告宣伝費を比べると、18年は24億円と27億円、19年は21億円と30億円で、19年の第4四半期に最も広告宣伝費を投じている。それにもかかわらず、流通総額は減少しているのだ。

 その一方で朗報は、19年第4四半期の月間アクティブユーザーが1357万人と、こちらは第3四半期の1299万人から増加が続いていることだ。「潜在的なユーザーは現状の3倍。3000万~4000万人はいる」と小泉社長は力を込める。

 とはいえ、ソフトバンクグループ傘下で、ネットオークションサイト最大手の「ヤフオク!」を擁するヤフーは、キャッシュレスサービス「ペイペイ」と連携した「ペイペイフリマ」を今秋に投入予定だ。また、楽天のフリマアプリ「ラクマ」は、メルカリよりも低い手数料3.5%で、高額品の取引の獲得を狙っている。

 国内フリマアプリ市場でシェア約7割と王者のメルカリも、安泰ではない。もしも国内事業テコ入れのための投資が今後必要となってくれば、国内で稼いで米国やメルペイへ投資するという戦略にも影響が出かねない。

 決算会見で、20年6月期は「勝負の年だ」と表明した山田会長。

 国内メルカリ事業の流通総額の減少は、メルカリの主張通り季節性のものなのか、それとも成長鈍化の現れか。赤字決算が続いているだけに、メルカリへの投資家の視線は一層厳しくなりそうだ。