参院選でのN国党躍進で予感、
令和ポピュリズム時代の到来
この4月に出版した、令和がどのような時代になるのかを予測した著書『令和を君はどう生きるか』(悟空出版)の内容について、「また当たりましたね」と周囲から言われています。僭越ながら、未来予測の専門家の立場で言わせていただくと、当たったというよりも、そのような時代になることがすでに過去の時代の動きから見えている、ということです。それでも、過去と違う新しい現実が出現すると、周囲はそう感じてしまうようです。
それは令和の時代を形成する7つの要素のうちの1つ、「ポピュリズムの時代が来る」という予測が、先の参院選で早くも的中したという話です。私は「大衆に迎合する政治家が力を持つ時代がやってくる」という点が、令和の時代の大きな特徴になると予測したのですが、7月に行われた参議院選挙でそれが得票数として現実になりました。
当事者にとっては不本意な表現かもしれませんが、私から見て「ポピュリズムの勝者」として印象的だったのは、山本太郎氏が率いるれいわ新選組と、立花孝志氏が率いるNHKから国民を守る党(以下、N国党)でした。それぞれが国政選挙での議席を獲得するとともに、れいわ新選組が比例区で4.6%、N国党が選挙区で3.0%と、どちらも法律的に政党要件を満たす存在へと大躍進したわけです。
国民の全投票の3%を超えるというのは、大きな意味を持つ数字です。都知事選で大きな話題を集めた故内田裕也さんでも1.2%までしか票を集められなかったという選挙の現実を考えると、もはや泡沫候補ではない、一定の支持者層を持つ主張を繰り広げる政党として、この2つの勢力は国民に認められたということになるのです。
今回、特に取り上げたいのはN国党です。その理由は、この政党は令和の時代のポピュリズムを象徴する政党だと私が考えるからです。
平成の時代までは、非常にマイナーな政治的主張を繰り広げる政治団体が選挙で議席を獲得することは難しい時代でした。いわゆる「泡沫政党」として扱われる存在以上になることは、事実上不可能と思われてきたものです。しかし、参議院議員選挙に先立つ統一地方選挙あたりから、この風向きが変わってきました。