世界がどう機能するかの前提が崩れると、世界的な景気低迷がしばしば後に続く。1970年代の初め、安価な原油の時代が終わったことを世界は学んだ。80年代初めには国家がデフォルト(債務不履行)に陥ることを、そして10年前には、米国の住宅ローンや世界的な大手銀行が安全ではないことを知った。現在起きているグローバリゼーションの再考もこれに似ている。ワシントンからブエノスアイレスに至るまで、自由市場を互いに守り合う各国のコミットメントが崩れつつある。投資家はこれに対しポートフォリオを調整し、企業は投資を見直す一方、政策当局は対応に苦慮している。その全てが、世界経済をリセッション(景気後退)へと近づけている。