クレア・ローさんは対話アプリ「スナップチャット」の地図とテキストメッセージを使って、娘が香港市内のどこにいるのか1時間おきに確認している。ペイジ・マクレガーさんとその家族は地下鉄やバスの利用を止めた。フイ・ワン・フンさんと妻は外出を控えるようになった。香港で2カ月以上にわたって続く抗議デモは、一般市民の日々の生活をいや応なしに変え、デモ隊や警察との衝突に巻き込まれた場合の緊急対策を準備するよう迫っている。市民は今、通勤の方法を変えるともに、外出を控え、ネットでニュースをこまめにチェックするよう子供たちに言い聞かせている。香港はこれまで、犯罪率の低さや極めて効率的な交通網、活気あふれる夜の光景で知られていた。6月初旬以降、週末は抗議活動による混乱にさいなまれている。容疑者の本土引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案に端を発した大規模な抗議活動は、時に残酷なまでの激しい衝突へと発展。デモ隊の要求も民主化改革へと拡大した。警察は住宅街や繁華街、地下鉄駅などで大量の催涙ガスを発射。その結果、企業活動に支障が生じ、通行人が負傷することもしばしばだ。
香港デモが変える日常風景、一般市民はどう対処?
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