ドナルド・トランプ米大統領はクリスマスシーズンの消費者に配慮して対中関税の一部発動を延期した。だがエコノミストやアナリストは、消費者にはどのみち影響が及ぶとみている。米国は9月1日付で中国から輸入する衣服、家電製品、時計、スポーツ用品などに10%の追加関税を実施する。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の分析によれば、この追加関税の対象になる商品は昨年の輸入額が計1110億ドル(約11兆8000億円)だった。カウエン・ワシントン・リサーチ・グループのマネジングディレクター、クリス・クリューガー氏は「この状態を緊張緩和ととらえるのは必ずしも正確ではない」とした上で、この政策は「9月1日に両腕を折ろうと思ったが、肘だけにとどめておこう」と誰かに通告するようなものだ、と語った。