ドナルド・トランプ米大統領は貿易戦争を幾つかの方面で仕掛けるなかで、高い貿易障壁が経済生活の日常だった時代に時計の針を逆戻りさせているかのように見える。  世界は保護主義に向かっており、10年来のこの流れに鈍化の兆しはない。米中の報復的な関税合戦はその象徴だ。  トランプ政権の一部当局者は関税について、各国に圧力をかけ、より良い条件で通商合意を勝ち取るための短期的な手段として位置づけている。だが多くのエコノミストは、そうした手段のまん延が米国および世界の経済成長を妨げていると話す。