抗議デモが数カ月たっても収まらず、香港の将来をめぐる懸念が高まるなか、香港からマネーが流出する兆しが見え始めた。香港ドル相場は7月初め以降、急速に落ち込んだ。アナリストはこれも資金流出の一因とみている。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の取材に対し、企業関係者の一部は資金が国外に移っているようだと話し、何人かの個人も自己資金を他通貨に交換したか、交換を検討中だと語った。経済コンサルティング会社ランタオ・グループのパートナー、サラ・フェアハースト氏(52)は先週、20万香港ドル(約271万円)を英ポンドに交換した。抗議デモに対する懸念が理由だという。「ひどく落ち着かない状況だ」。香港在住12年のフェアハーストさんはこう話す。自身のオフィスの近くで警察が催涙ガスを発射する動画を見て一層不安になったと言う。「これから何が起きるか分からない。ただ分かっているのは私のお金をここに滞留させたくないことだ」