人気の「高配当利回り株式」に軽い気持ちで投資してはいけない理由写真はイメージです Photo:PIXTA

「高配当株」に人気?

 配当利回りが高い「高配当利回り」の株式への注目が増しているようだ。筆者が勤める楽天証券に「トウシル」という投資情報サイトがあり、そのサイトの編集長によると、最近、「高配当」という言葉がタイトルにある記事のページビュー(PV)が目立って上がっているという。

 これまで、相場が大きく変動した時にマーケットの状況を説明する記事と、「株主優待」をタイトルに含む記事のPVが目立って多かったが、今やこれらに続く勢いらしい。

 編集長は、金融庁の指導の影響もあって、毎月分配型の投資信託の評判が落ちているので、インカムゲインに注目する投資家が、配当利回りの高い個別株式に注目しているのではないかと推測しているが、まだ十分分析できていないという。

 確かに、大手総合商社で4%台、メガバンクで5%前後といった銘柄は、債券がゼロ金利の現在、配当だけで魅力的に映る。お金持ちの高齢者なら、持ち株の配当を生活費に充てようと考えたくなるのかもしれない。

 筆者個人としては、投資家が個別の株式に関心を持つことを歓迎したいが、配当だけに注目して投資するのだとすると、いささか心配な点がある。