「多様性のある視点を獲得するため、ワールドカフェに行ってきます」
「美的センスを鍛えるため、お絵かき講座に参加します」
「共創の感覚を磨くため、演劇のワークショップにエントリーします」
最近流行している研修(と呼んでよいのか)は、なんだか「ふわふわ」している。いろいろな人といろいろなことをしゃべる(対話する、と彼らは言う)、絵を描く、演じる、思いつきをポストイットに書いて貼る…。
ビジネスの環境が目まぐるしく変化し、次なる勝ちパターンを模索する中で、詰め込み教育の逆を行くような“クリエイティブな研修”が組織に新風を吹き込んでくれるのではないかと、期待する企業は少なくない。ただ、そうした研修が実際のビジネスに「どう生きるのか」は、いかんせん見えにくい。
「お遊びみたいなことをやって、本当に意味があるのか」「仕事はもっと真面目にやるものじゃないのか」と、このような活動に対して手厳しい批判を下す人も当然いるだろう。
その実、私自身が手掛けているカルチャースクール(のようなもの)では、上記と似たようなプログラムを実施してきており、実際に好評を博している。個人的にはこれらのプログラムの素晴らしさを強調したい気持ちは強いものの、企業の就業時間内における研修ではなく、あくまでアフター5に知見を広げてもらうための個人向けのプログラムとして提供している。先述のとおり、仕事へのダイレクトな成果がいまひとつ実感できないこともあるからだ。