モスクワのトランプタワー建設計画で中心的な役割を果たしたロシア生まれのビジネスマンは、米司法当局や情報機関のスパイとして働いていた。ドナルド・トランプ米大統領とは無関係の問題や犯罪組織に対しても協力をしていたという。米連邦検察当局が新たに公開した文書で明らかになった。トランプ氏のビジネスパートナーだったフェリックス・サター氏は、証券詐欺で逮捕された後の1998年、米連邦捜査局(FBI)に協力し始めた。23日公開されたニューヨークのブルックリン地区検察による2009年8月27日付の文書によると、サター氏は有罪を認め、米当局の協力者となった。検察側は軽い量刑にするため、「サターは大半の協力者に期待される以上の役割を果たし、それによって大きな危険に身をさらした」と記していた。協力を続けていることを理由に量刑言い渡しは異例の長さとなる10年以上も先延ばしされた。