筆者はがらくたの収集家であることに誇りを持っている。集めた品々のほとんどは旅先から持ち帰った思い出の品で、ムール貝の形をしたビクトリア朝風の銀製のマッチ入れもその一つだ。婚約者と一緒にローマの骨董(こっとう)品店で大枚をはたいて手に入れた。その他のものも、それぞれ理由があって手元に置いている。自宅ではなるべくスマートフォンを使わないようにしている夫と筆者にとって、本やトランプが近くにあればスマホの誘惑に耐えやすい。それに旅先で手に入れたトランプは美しく、グラフィックアートのようだ。  確かに筆者のがらくたの中にも、ときめきを感じるものはある。