香港警察発砲で危険度は一段上昇、学生たちは大学ではなくデモへ向かう
香港大学の掲示板「Democracy Wall」(民主壁)に貼られた学生たちのスローガン。新学期が始まる時期だが、学生たちが戻ってくるかは定かではない。 Photo by Yoshikazu Kato

ゴム弾や催涙弾ではなく
ついに実弾が発砲された

 香港警察による発砲から一夜が明けた。異様な静けさに包まれた香港大学のキャンパス内で本稿を執筆している(8月26日、月曜日現在)。

 本連載ではこれまで“発砲”と記してきた。というのも、これまでは、香港警察が抗議者やデモ隊を強制排除するために放っていたのは、催涙弾やゴム弾であった(それでも打ちどころが悪ければ死傷者を出すこともある)。

 今回は違う。日曜日の香港は朝から雨であった。時に豪雨が街を襲った。そんななか、香港島ではなく中国大陸側(九竜半島)に位置する〓湾地区(〓の文字はくさかんむりに“全”)で、警察がついに所持していた拳銃を発砲した。したがって、「“”」を取ることにする。

 人を狙ったわけではなく、あくまでも「威嚇のため」(香港警察)だったという。確かに、殺すつもりはなく、威嚇目的だったのだろう。ただ、警察が実際に発砲したことで、「逃亡犯引き渡し条約」改正問題が引き金となり、6月上旬から続いてきた「反送中」抗議デモをめぐる危険度がワンランク上がったと見るべきであろう。