トランプ氏、緊張緩和を模索 対中・イランで歩み寄りPhoto:Reuters

【ビアリッツ(フランス)】ドナルド・トランプ米大統領は主要7カ国(G7)首脳会議最終日の26日、中国との貿易摩擦の緩和に努めるとともに、貿易戦争に歯止めをかけるよう他国の首脳から圧力がかかる中、歩み寄りの姿勢を示した。

 トランプ氏はG7首脳会議の閉幕にあたりエマニュエル・マクロン仏大統領と共同会見に臨んだ。マクロン氏は「彼(ロウハニ氏)がトランプ氏と会えば、合意が得られるだろう」として、新たな核合意に道を開く可能性があるとの認識を表明。向こう数週間に2人が会談することに期待を示した。

 トランプ氏はこれに対し、「状況が整えば、それにもちろん合意する」と応じ、会談に前向きな姿勢を示唆した。

 米中協議については「過去のいずれの時期より、はるかに有意義だ」と指摘。予定している対中関税の発動延期を検討するかとの質問に対しては「すべてあり得る」と答えた。

 ただ、トランプ氏は強硬発言を和らげる中で、周囲に混乱ももたらしている。トランプ氏は中国が前日夜、米当局者に電話をかけ「交渉の場に戻ろう」と呼びかけたと説明。これに対し、中国外務省の耿爽報道官は、中国側から米国にかけたとする電話協議については関知していないと述べた。

 米通商代表部(USTR)報道官は、時期や参加者など、この電話協議の詳細に関する質問に応じていない。

 トランプ氏は電話協議の参加者について説明を求められると「その電話については話したくない。高官レベルで電話が行われた」と述べるにとどめた。