「反AI」感情が米国で急拡大、政治的争点にPhoto:Albany Times Union/Hearst Newspapers/gettyimages

 人工知能(AI)業界の成長スピードよりも速く拡大しているものがあるとすれば、それは米国民の「反AI」感情かもしれない――米グーグルのエリック・シュミット元最高経営責任者(CEO)は15日、そのことを身をもって知った。

 米アリゾナ大学の卒業式でスピーチしたシュミット氏は、AIがもたらす「技術的変革」は「これまでのものよりも大規模で速く、より大きな影響をもたらすだろう」と語った。AIに言及した他の登壇者と同様、シュミット氏もブーイングの嵐を浴びた。

 ここ数週間の世論調査では、回答者の圧倒的多数がAIに懸念を示すという結果が相次いでおり、「AIは人々の生活を改善することで普及していく」という業界幹部らの主張に疑問を投げかけている。

 消費者は、データセンターの普及によって悪化したエネルギー価格上昇に不満を抱いている。労働者は大規模な人員削減を恐れている。親たちは、AIが教育を損ない、子どもの心の健康を害するのではないかと心配している。ここ数カ月、こうした怒りの波が抗議活動を引き起こし、選挙結果を左右し、散発的な暴力行為を誘発している。

 4月には、テキサス州の20歳の男が、米オープンAIのサム・アルトマンCEOの自宅に 火炎瓶を投げつけ 、同社のサンフランシスコ本社で脅迫行為をしたとして訴追された。その数日前には、インディアナ州インディアナポリスのロン・ギブソン市議会議員宅の玄関ドアに向けて、何者かが13発の銃弾を撃ち込んだ。同議員は最近、データセンターの建設を承認していた。