どこに行けば見られる?

 そんなドラマチックな脱出劇を経て見事生き延びたロードハウナナフシ。「生きている姿を見たい!」と思う人も多いでしょう。でも、ボールズ・ピラミッドへの上陸許可はなかなかおりませんから、現地に見に行くというのは難しい……。ですが、今は世界各地の動物園などでロードハウナナフシの人工繁殖がおこなわれていて、順調に数を増やしているんです。

 そのうち、日本でも見られる日がきっと来ることでしょう。

「実は生きていた」動物は他にもいるかも?

 絶滅したと思われていたロードハウナナフシが生きていたということは、他にも「実は生きていた!」という動物がいるかもしれませんよね。

 そんな可能性のあるものとして、フクロオオカミを挙げる人もいます。フクロオオカミは背中にトラのような縞模様がある肉食の有袋類です。かれらは人間がイヌを連れて移住してきたことが原因で、オーストラリアやニューギニアでは数万年前に絶滅したと考えられています。でも、イヌが入ってくるのが遅かったオーストラリアのタスマニア島では、今から100年ほど前までは生存していたんです。そう考えると、まだイヌが野生化していないニューギニア周辺の島であれば、フクロオオオカミが生き残っていたとしても不思議ではない……。

 是非そんなふうに想像を広げながら、本書の他の絶滅動物についても読んでみてください!