9月17日に公開された映画『MEG ザ・モンスター』が話題になっている。『ワイルド・スピード』などで知られる人気アクション俳優ジェイソン・ステイサムが主演。絶滅したとされる「最恐」の巨大ザメ・メガロドンが深海で生き延びており、人々をパニックに陥れる様を描いている。
巨大なホホジロザメをも丸呑みするというメガロドンだが、一体どんな生き物なのか。
発刊2ヵ月でたちまち28万部を突破した図鑑『わけあって絶滅しました。』(今泉忠明監修、丸山貴史著)から、今回特別にメガロドンのページをご紹介しよう。
「クジラの逆襲」で絶滅したメガロドン
全長12メートル以上あったと言われているメガロドンだが、じつは意外な理由で絶滅したという説がある。もし、メガロドン本人にその理由を聞くことができたら……。こんな風に話してくれるかもしれない。
どいてどいてどいて、シャチ来たシャチ、やばいこれ、やばいって! 無理無理、勝てない、シャチには勝てない。あいつらすんごい強いし、超~速いから! おれは体デカいけどおせぇから無理ッ!
海があたたかかった時代はよかったよ。おれ、クジラばっか食ってたもん。昔のクジラって図体もあんま大きくねぇし泳ぐのも速くないから、 余裕で狩りまくれた。もはや食べ放題状態。
それなのにだんだん海が冷たくなってきて。寒すぎておれはのろのろ動くのでせいいっぱいなのに、クジラのやつら、逆にスピード上げる方向に進化してきて。
クジラ食べられなくなったうえに、最終的にシャチみたいな速くて強い化けもんがうまれて、おれのことねらってくるし。進化ってマジでえげつねぇのな?
「最恐ザメ」にも、勝てないものはある
人食いザメ「ジョーズ」として知られるホホジロザメより全長が3倍、体重が27倍もある巨大ザメがメガロドンだ。かれらは体長4mほどのクジラをえものとしており、まさに当時の海では「最恐」だった。
しかし、彼らにも「弱点」はあった。それは、寒さ。メガロドンの栄華は、海水温が下がるのとともに崩れていった。
クジラは水温に関係なく動き回れるが、サメは動きがにぶってしまう。逆に、クジラはその間進化してスピードアップしたため、いよいよメガロドンの手にはおえなくなってしまった……とも考えられている。
(本原稿は、今泉忠明監修、丸山貴史著『わけあって絶滅しました。』の内容を編集して掲載しています)