対中関税の引き上げを相次ぎ表明している米トランプ政権。中国経済は甚大なダメージを被るのか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

米中貿易戦争は再開
中国経済にダメージも

 米トランプ政権は、対中関税の引き上げを相次ぎ表明している。9月1日には、制裁関税がかかっていないスマートウォッチや衣料品など1100億ドル規模の中国製品の関税率が15%に引き上げられる予定だ。米国企業がクリスマス商戦の仕入れを終える12月15日には、スマートフォンやノートPC、玩具など1600億ドル分の関税率も15%に引き上げられる。

 すでに25%の高率関税がかかっている乗用車や半導体、食料品など2500億ドル分の関税率は10月1日に30%へ引き上げられる。このほか米国政府は8月5日、中国政府が不当に元安になるよう為替を誘導しているとして、中国を為替操作国に認定した。

 習近平政権も負けじと米国に対し報復関税を発表した。米国側が前述の対中関税を発動すれば、中国側は9月に原油、大豆、鋼板など、12月に木材、織物など計750億ドル規模の米国製品の関税率を5%か10%上乗せする予定だ。このほか米国車(部品を含む)の関税率に最大25%の税率を上乗せする意向を表明した。

 米トランプ大統領は2016年の大統領選挙前から、中国からの輸入に45%の高率関税を課すべきと主張してきた。ある意味、今回の中国製品に対する関税引き上げは、公約に忠実な動きといえる。中国を為替操作国に認定したことも、来年の中間選挙に向けた実績作りといえよう。これに対し、中国では人民日報などの政府系メディアや商務部のスポークスマンが、繰り返し「不公平な措置だ」と主張した。

 もちろん、前述の対中関税が発動されると、中国の輸出企業はダメージを被りかねない。中国企業に生産設備や原材料や部品を提供している日本企業にも悪影響が及ぶ。各国企業が中国で輸出向けの工場を新設するのをためらうようになる。