2022.10.31
中国「潜在不良債権」は400兆円!習近平3選が不良債権問題に与える影響とは
中国では、顕在化していない不良債権(潜在不良債権)が増加している。中国全体の潜在不良債権を試算すると、2022年央で19.7兆元(約400兆円)と、GDPの16.9%に相当する。一方、中国政府が公表する不良債権統計では、2022年央の商業銀行の不良債権…
日本総合研究所 調査部 主任研究員
せき・しんいち/研究・専門分野は中国経済、金融。注力テーマは中国過剰債務問題、中国の構造調整、中国マクロ経済動向。2004年 早稲田大学政治経済学部卒業。06年 早稲田大学大学院経済学研究科修士課程修了。野村證券金融経済研究所などを経て08年 日本総合研究所研究員。2019年より現職。著書に『中国 経済成長の罠 金融危機とバランスシート不況』がある
2022.10.31
中国では、顕在化していない不良債権(潜在不良債権)が増加している。中国全体の潜在不良債権を試算すると、2022年央で19.7兆元(約400兆円)と、GDPの16.9%に相当する。一方、中国政府が公表する不良債権統計では、2022年央の商業銀行の不良債権…
2022.9.5
中国では、地方政府の債務が大幅に増加している。中でも問題視されているのが、地方政府が抱える「隠れ債務」だ。隠れ債務を考慮すると、多くの地域で債務比率は警戒ラインに達しているとみられる。地方の隠れ債務の実態は、中国政府(国)ですら全…
2022.6.27
1~3月期の中国実質GDPは、上海市をはじめ多くの都市で経済活動が厳しく制限されたことから、前期比年率+5.3%と前期から鈍化した。しかし5月以降、多くの都市で活動制限の緩和が進み、景気下押し圧力は和らいでいる。最新の経済指標から中国景気の…
2022.3.28
中国のゼロコロナ政策は、新型コロナウイルスの感染が収束するまで継続するとみられる。ゼロコロナ政策による中国内の工場の稼働停止や港湾の処理能力低下といった供給面の影響だけでなく、消費活動の低迷といった需要面の影響にも注意する必要があ…
2021.12.8
中国の7-9月期・実質GDPは、前期比年率+0.8%と前期の+4.9%から大幅に減速した。成長率が鈍化した背景には、電力や半導体の不足に加え、新型コロナ対応のための行動制限の強化などがあげられる。中国経済のエコノミストが、中国景気が減速した要…
2021.10.4
中国大手不動産の恒大集団が資金繰り難から経営危機に直面するなど、中国の不動産市場への警戒感が強まっている。主要70都市の新築住宅平均価格は上昇ペースが鈍化しており、価格が下落に転じた都市の数も増えている。中国出身のエコノミストが、不…
2021.7.19
中国の2021 年4~6 月期の実質GDPは、前期比年率+5.3%と前期の同+1.6%から加速した。春先以降、新型コロナの感染者数が低水準となり、政府が活動制限を緩和したため、中国経済は堅調さを取り戻している。足元の中国経済の様子を個人消費、固定…
2021.4.14
中国で「バイデン政権の対中通商政策:見通しと提言」と題したオンライン・シンポジウムが開催された。本シンポジウムにて中国現地のエコノミストたちは、米中間での過度な対立は米国の利益も阻害すると指摘するなど、本シンポジウムの内容は中国現…
2021.2.11
中国の2020年10~12月期の実質GDP成長率は、前年同期比+6.5%と、5%程度とみられる潜在成長率を上回る高成長となった。中国の国有企業は、コロナ禍から早期の景気回復を狙う政府の意向を受け、設備投資を急ピッチで拡大している。輸出も大方の想…
2020.12.4
中国の重要会議「5中全会」が10月29日に閉幕した。ここで議論された2021~35年の政策運営方針は、長期的な中国経済の行方を左右するが、難解な言い回しも数多く、5中全会で示された方針を読み解くことは難しい。中国経済ウォッチャーの第一人者が、…
2020.10.2
コロナ禍を経て世界に先駆け経済活動を再開した中国では、政府主導で景気回復が続いている。ただしそのペースは、夏場までの急回復から鈍化する見込みだ。その原因を個人消費、企業投資、金融政策の3つの観点から考察し、今年後半の中国景気の行方…
2020.8.26
中国の次期(第14次)5カ年計画(2021~2025年)の草案は、中央委員会第5回全体会議(5中全会)で10月に発表される見込みである。中国を取り巻く環境が大きく変化するなか、習近平政権が次期計画において、どのような方針を打ち出すかが注目される…
2020.6.29
中国人民銀行は、デジタル人民元の試験運用を中国の5地域で進めていることを明らかにした。今後も実験は続くだろう。ただ、中央銀行が発行するデジタル通貨を全国に展開することは容易ではない。セキュリティ、金融仲介機能に配慮が求められる。当…
2020.4.29
中国の1~3月期の実質GDPは、前期比年率▲34%(前年同期比では▲6.8%)と大幅に減少した。中国の実質GDPが前年比マイナスとなったのは、四半期ベースでの統計が始まった1992年以降、初めてである。中国経済はV字回復できるのだろうか。中国政府が…
2020.2.25
デジタル人民元の発行に向けた動きは着実に進んでいる。中国人民銀行は1月、「法定デジタル通貨の全体的な設計、規格の標準化、影響の研究、複数機関による調査実験が基本的に完了した」と公表した。デジタル人民元の発行はそう遠くなく、早ければ…
2019.11.26
中国経済は、米国との貿易摩擦が重石となる一方、政府による景気対策が下支えとなり6%台の成長を続けている。しかしながら、中国経済が抱える深刻な構造問題も見落としてはならない。所得格差や環境汚染も大きな問題だが、筆者が最も注目している…
2019.10.26
実質GDP成長率が前年比+6.0%まで鈍化するなど、中国景気の減速感が強まっている。しかし、米中貿易摩擦による景気への影響は、当初懸念されたほど大きなダメージにはなっていないようだ。足元では景気底入れの動きも見え始めている。そんななか、…
2019.8.30
米中間の関税をめぐる制裁と報復の応酬が再開しそうだ。加えて、米国政府は中国を「為替操作国」に認定し、先行き対中関税を最大45%まで上げる要件を整えた。米トランプ政権の関税引き上げは、世界経済にとってマイナス要因であることには間違いな…
2019.7.29
米中通商協議は7月29日、上海で再開されることになったが、これは必ずしも米中新冷戦の終わりを意味しない。米中覇権争いには、中国の経済成長、中国政府による積極的な外交政策、安全保障面において中国が米国にとって大きな脅威となっている、と…
2019.6.27
中国景気は、輸出、投資、消費のいずれも増勢が鈍化しており、とりわけ地方経済が厳しい状況に陥っている。デレバレッジ政策を背景にインフラ投資が見直されており、インフラ投資の依存度が高い地域は深刻な不況に陥っている。政府が景気対策に本腰…
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