2020.12.4 中国「5中全会」で示された難解な政策方針、習近平の真意を読み解く 中国の重要会議「5中全会」が10月29日に閉幕した。ここで議論された2021~35年の政策運営方針は、長期的な中国経済の行方を左右するが、難解な言い回しも数多く、5中全会で示された方針を読み解くことは難しい。中国経済ウォッチャーの第一人者が、…
2020.10.2 中国景気の急回復を鈍化させかねない「年後半の3大不安要因」 コロナ禍を経て世界に先駆け経済活動を再開した中国では、政府主導で景気回復が続いている。ただしそのペースは、夏場までの急回復から鈍化する見込みだ。その原因を個人消費、企業投資、金融政策の3つの観点から考察し、今年後半の中国景気の行方…
2020.8.26 中国「次期5カ年計画」の発表間近、習近平は強硬路線修正に踏み切るか 中国の次期(第14次)5カ年計画(2021~2025年)の草案は、中央委員会第5回全体会議(5中全会)で10月に発表される見込みである。中国を取り巻く環境が大きく変化するなか、習近平政権が次期計画において、どのような方針を打ち出すかが注目される…
2020.6.29 デジタル人民元がついに試験運用開始、各種報道から垣間見るその正体 中国人民銀行は、デジタル人民元の試験運用を中国の5地域で進めていることを明らかにした。今後も実験は続くだろう。ただ、中央銀行が発行するデジタル通貨を全国に展開することは容易ではない。セキュリティ、金融仲介機能に配慮が求められる。当…
2020.4.29 中国が経済活動を再開、「V字回復」は本当に期待できるか 中国の1~3月期の実質GDPは、前期比年率▲34%(前年同期比では▲6.8%)と大幅に減少した。中国の実質GDPが前年比マイナスとなったのは、四半期ベースでの統計が始まった1992年以降、初めてである。中国経済はV字回復できるのだろうか。中国政府が…
2020.2.25 デジタル人民元が発行間近、中国政府の「真の狙い」とは デジタル人民元の発行に向けた動きは着実に進んでいる。中国人民銀行は1月、「法定デジタル通貨の全体的な設計、規格の標準化、影響の研究、複数機関による調査実験が基本的に完了した」と公表した。デジタル人民元の発行はそう遠くなく、早ければ…
2019.11.26 中国経済が抱える2つの深刻な構造問題、金融危機は回避できるか 中国経済は、米国との貿易摩擦が重石となる一方、政府による景気対策が下支えとなり6%台の成長を続けている。しかしながら、中国経済が抱える深刻な構造問題も見落としてはならない。所得格差や環境汚染も大きな問題だが、筆者が最も注目している…
2019.10.26 中国景気が減速を続けるなか、景気対策の本格化はあるのか 実質GDP成長率が前年比+6.0%まで鈍化するなど、中国景気の減速感が強まっている。しかし、米中貿易摩擦による景気への影響は、当初懸念されたほど大きなダメージにはなっていないようだ。足元では景気底入れの動きも見え始めている。そんななか、…
2019.8.30 中国経済は米国の制裁再開で本当に大きく悪化するのか 米中間の関税をめぐる制裁と報復の応酬が再開しそうだ。加えて、米国政府は中国を「為替操作国」に認定し、先行き対中関税を最大45%まで上げる要件を整えた。米トランプ政権の関税引き上げは、世界経済にとってマイナス要因であることには間違いな…
2019.7.29 米中の覇権争いは始まったばかり、制裁と報復の応酬がいずれ再開する恐れ 米中通商協議は7月29日、上海で再開されることになったが、これは必ずしも米中新冷戦の終わりを意味しない。米中覇権争いには、中国の経済成長、中国政府による積極的な外交政策、安全保障面において中国が米国にとって大きな脅威となっている、と…
2019.6.27 冷え込む中国景気、対米摩擦は吉と出るか凶と出るか? 中国景気は、輸出、投資、消費のいずれも増勢が鈍化しており、とりわけ地方経済が厳しい状況に陥っている。デレバレッジ政策を背景にインフラ投資が見直されており、インフラ投資の依存度が高い地域は深刻な不況に陥っている。政府が景気対策に本腰…
2019.5.30 米制裁下のファーウェイを支える3つの要因 米国トランプ政権による輸出規制により、窮地に立たされた中国通信機械大手のファーウェイ。しかし逆風のなか、実際に会ったファーウェイ関係者は強気の姿勢を崩していなかった。ファーウェイはなぜ「強気」なのか。その背景には根拠のある自信がう…