レストランもカラオケも
消費に見える“おひとり様化”

 日本でもおひとり様用の焼肉や1人カラオケがあるが、中国もおひとり様向けのレストランやカラオケが出てきている。

 中国に行ったこと、もしくは滞在したことのある読者はご存じだと思うが、外で中華料理を食べる場合、ある程度の人数がいないとたくさんの種類の料理が食べられない。1人だと、麺類、チャーハン、蓋飯(ガイファン)といわれる丼ものくらいだ。

 筆者が2001年~2006年まで北京の大学で留学生生活を送っていたとき、食事は基本的に学内の食堂で食べていたが、外で食べたいときは食事時が近くなると、友人に誘いの電話をし、3~4人ほどで近くの中華料理店へ行った。特に、火鍋や北京ダックの店には1人で行きにくい。

 中華料理は基本的に何人かで連れ立っていくため、1人で行くと孤独感が募る。筆者も友達に“フラれた”ので仕方なく1人で食べに行ったとき、4人が座る席に案内されたが、周りは複数人で食べていたので、浮いていた。混んでいる時間帯は相席を頼まれることもある。知らない人と顔を付き合わせて食べるのは気まずいので、そそくさと食べて出て行った記憶がある。もちろん、そんなことは気にせず1人で食べている中国人もいるが――。

 2019年7月26日付の「人民ネット」の報道によると、パーティションで区切られた小さなスペースにお椀や箸がおかれ、誰の目にも触れることなく食事を楽しめる「おひとり様」レストランが静かなブームとなっているそうだ。

 日本でも「1人飯」が気楽だと考える若い人がいるそうだが、中国人にも複数人で食事したりするのが煩わしいと考える人もいる。おひとり様向けのレストランでは誰にも気兼ねすることなく食事できるので、「たまには1人になりたい」という既婚者にも受けそうだ。

 また、なかなか1人で行けなかった鍋の店や北京ダックの店もおひとり様向けのメニューがあるし、北京ダックの店にもおひとり様向けに量を調整したメニューがある。

 カラオケは気の合う友人と行って盛り上がるというイメージだが、1人で行っても広い部屋で黙々と歌うことになるので、行きづらい。今はショッピングセンターなどに「自動唱吧」といわれる電話ボックスのような1人カラオケマシーンがある。