今週は内閣改造が行われたので、最初は当連載で新内閣の布陣について論評しようかと思いましたが、前向きに評価しにくい内閣改造だったので、その代わりに、マスメディアが一切報じない、国家戦略特区をめぐる毎日新聞と野党議員のさらなる迷走について、お伝えしたいと思います。
ちなみに、今回の内閣改造について一言でコメントするとしたら、安倍首相の優しさが前面に出た改造(=安倍首相の側近やこれまで汗をかいた人を処遇)であり、その結果として、安倍政権の残り2年の間は改革は進まないだろうと考えざるを得ません。
訴訟の場での
毎日新聞のひどい主張
さて、当連載では、国家戦略特区を巡る毎日新聞の報道の酷さを何度か指摘してきましたが、新たな展開について説明する前に、ごく簡単にその内容を復習しておきたいと思います。
事の始まりは、6月11日付の毎日新聞1面トップの記事でした。この記事の見出し、そして記事に掲載されている図と写真を見る限り、「国家戦略特区での規制改革を審査する立場にあるWG座長代理の原氏が、特区提案企業から200万円を受け取り、会食接待も受けた疑惑がある」と伝える意図だったと考えられます。
もちろん、リード文を読むと、「原氏と協力関係にあるコンサル会社が200万円を受け取った」「原氏は…特区提案企業と会食した」と主語を使い分けていますが、あえて原氏の顔つきが悪い写真を使っているあたりからも、そのような意図がうかがえます。
これに対して、原氏が事実誤認と名誉毀損を強く抗議したところ、毎日新聞は、疑惑の対象を特区WG関連での事実の隠蔽に切り替えてきました。その一方で毎日新聞は、6月11日付の記事について原氏の要求する内容の訂正と謝罪を行わないため、原氏は毎日新聞を名誉毀損で告訴しました。