毎日新聞の戦略特区WG追及は「報道の自由」を超えた暴走ではないか国家戦略特区の“疑惑”を巡る毎日新聞の暴走が、いっそう激しくなっている。毎日新聞はいったいどうしたのか Photo:PIXTA

 6月に当連載で「毎日新聞が執拗に続ける『イジメ報道』について考える」という記事を掲載しましたが、国家戦略特区の“疑惑”を巡る毎日新聞の暴走がいっそう激しくなっています。本件は、マスメディアの身勝手さやそれを迂闊に信じる怖さを如実に物語っていると私は思いますので、今回は最新の状況をお伝えしておきたいと思います。

毎日はどういうつもりなのか
手を替え品を替え特区WGを追及

 最初に経緯を簡単におさらいしましょう。毎日新聞は6月、自治体などから規制改革に関する要望を聞くとともに、霞が関の省庁と規制改革の折衝を行う「国家戦略特区WG(ワーキンググループ)」で座長代理を務める原英史氏の疑惑を追及しました。原氏が“関連会社”を使って規制改革を提案する企業から金銭を授受した、という疑惑です。

 しかし、これは事実無根の疑惑でした。それにもかかわらず、5日連続で一面トップで報道するという毎日新聞の行動も理解不能ですが、原氏がネット上などで強硬な抗議を行うと、毎日新聞は早々に疑惑の論点を変えてきたのです。

 WGの開催状況や議論の内容については国家戦略特区のHPで公開されていますが、非公開で行われたWGがあるなど、情報公開のプロセスで情報の隠蔽や虚偽記載があったのではないかという疑惑です。

 具体的には、原氏が関与した可能性のある企業からWGがヒアリングした事実が非公開であることなどを、情報隠蔽と決めつけて批判しました。それに対して内閣府や原氏は、そのことが既得権益との関係における提案者保護の観点から問題ない旨を主張しました。