韓国の野党はチョ氏の強硬任命を“史上最悪の人事”とまで非難しており、朝鮮半島というセンシティブな場所に位置する韓国が、どのように政治と経済の落ち着きを目指すか、先行きはますます見通しづらくなっています。
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むいてもむいても不正疑惑が出てくる
“タマネギ男”を法相に強硬任命

 9日、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、同氏の最側近であり後継者とみられる曺国(チョ・グク)・前民情首席秘書官を法相に強硬任命した。韓国国内でチョ氏は、むいてもむいても不正疑惑が出てくるため“タマネギ男”と揶揄(やゆ)されている。

 今回、疑惑が噴出する人物を主要閣僚に任命することは異例だ。文氏にとってはかなり大きな賭けともいえるだろう。

 もともと文氏は生粋の左派政治家だ。学生時代、同氏は“開発独裁”を進めた朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領に反対する民主化運動に身を投じた。弁護士になった後も市民運動や人権問題に深く携わった。このバックグラウンドを生かして、文氏は、朴槿恵(パク・クネ)前大統領を権力の座から追い落とし大統領に就任した。

 文氏が重用してきたチョ氏は検察改革を進め、市民団体などからの期待を集めてきた。一方、現時点でチョ氏には数々の疑惑がある。チョ氏の妻は検察当局から起訴されている。ただ、今のところ、不正が事実と認定されたわけではない。その状況下、文氏は市民団体の支持をバックに、チョ氏の任命を強行することを選択した。

 チョ氏の法相任命についての世論調査を見ると、反対がやや過半を上回っているものの、見方が真っ二つに割れているという状況だ。文大統領とすれば、一時的に韓国世論が分裂しても、“反日”“南北統一”という国民の多くが賛同するテーマを叫び続けることで、この難局を乗り越えられると読んだのだろう。

 確かに、現在の状況を分析すると、韓国の世論はすぐに文大統領の退陣を求めることは考えにくい。しかし、文大統領が行った思い切った最低賃金引き上げなどの経済政策で、韓国経済が今後うまく運営できるかには疑問符が付く。文大統領にとって、これからの経済運営はより重要になることは間違いない。