文在寅・韓国大統領
日本人から見れば意味不明な韓国の様々な言動。韓国人側の思いとは...? Photo:AFP/JIJI

無謀とも思えるGSOMIA破棄、幾度も蒸し返される慰安婦問題…。すぐそばにある国でありながら、日本人にとってもっとも理解しがたい存在ともいえる韓国。韓国文学の専門家や、日本在住の韓国人たちに話を聞き、彼らの考え方や、そのベースにある歴史や心理をひもとく。(ジャーナリスト 秋山謙一郎)

「韓国人の本当の思い」は言えず…
口を閉ざす日本在住韓国人たち

 相手のことをよく知ること、相手の立場に立って考えること――。

 ごく普通に社会で暮らす私たちが、近隣住民や職場の同僚らと良好な関係を築く上で気をつけなければならないことである。だが、その相手が、あまりにも身近な人であればあるほど、人は誰しも、つい、みずからと同じ価値観であると考えてしまいがちだ。そこから互いの間に摩擦が生じていく。人の集まりである国、その国同士でも同じことがいえるのかもしれない。日韓両国に横たわるさまざまな「摩擦」もまたしかり、だ。

 ここしらばくの日韓を巡る報道を見てみると、「韓国による日本とのGSOMIA(軍事情報包括保護協定)破棄」「日本による半導体材料3品目輸出規制」「徴用工訴訟問題」などなど、まさ一触即発ともいえる現状がメディアをにぎわせている。

 もっとも、私たちが目にするこれら日韓を巡る報道の多くは日本のメディア発のものだ。当然ながら、伝えられる事実について日本の国益に沿った立場に立ち、日本人の価値観に基づいた筆致となる。もちろん国籍を問わず、これら日本メディア発のニュースに触れることで日本の立場や世論を理解することは意味あることである。しかし日韓問題を公正な視点で考えるならば、「韓国側の視点」もまた知らなければならないのではないか。果たして私たち日本人は、韓国人のモノの見方や考え方を、どれだけ知っているのだろうか。

 そんな疑問から、今回、日韓両国に横たわる「摩擦」の根源は果たして何なのか。「韓国人の考え方」「韓国人から見た日本人」という視点からひもといてみたい。

 それにしても、今回の取材は困難を極めた。韓国を知るには、当然、韓国人への取材が不可欠だ。そこで日本に住む韓国人研究者、ビジネスマン、弁護士らに取材を申し込んだ。もちろん日本で暮らす韓国人とひと口にいってもその立場は人それぞれ異なっている。だが、それでも彼ら日本で暮らす韓国人たちは、異口同音に、こう口をそろえるのだ。

「とてもメンタル面で耐えられない。冷静に話をできる状態ではない」
「今回の取材申し込みについて家族とも協議した。日本の公立小学校に通わせている子どもは学校でイジメにあっているから、強く反対された。なので取材はお断りしたい」

 日本で暮らす韓国人の誰もが、実名での取材受けを断ってきた。

 同様の傾向は、日本人の韓国関連の研究者や韓国問題に詳しい弁護士らへの取材でもみられた。意外にも、反韓国、嫌韓国を標榜するある専門家ですら、こう言うのだ。

「日本ならいざ知らず、この情勢下、韓国で何を言われるかわからない」