海外でのクレジットカード払い
「円建て」ではなく「現地通貨建て」が鉄則
海外旅行先でクレジットカード払いしたときに、カード決済端末を見せられて「現地通貨(ドルなど)建てにするか、それとも円建てにするか」と店から尋ねられた経験はないだろうか。
決済端末の小さな画面には、現地通貨建ての金額と円建ての金額があり、どちらかを選択するようになっている。10年くらい前は、大手の免税品店や空港のショップに限られていたような気がするが、この数年は小規模な店でもこの選択を迫られるケースが増えてきた。「サイン」ではなく、「4桁のPINコード(暗証番号)決済」が普及した流れによるものと思われる。
さて、「現地通貨建て」と「円建て」のどちらを選ぶのがいいだろうか。正解は「現地通貨建て」。なぜなら円建てを選択すると、その店が独自で決めた手数料が乗った為替レートで決済されるため、割高な支払い金額になる可能性が高いからだ。
「そのお店が独自に決めた手数料」という点が、重要ポイントである。VISAやMASTERなどカード会社が決めたレートに、店が取る手数料を自由に設定することができるのだ。3%でも10%でもいい。特に上限はないようだ。
私はこれまで「円建てを選ぶと、その日の為替レートでカード会社が為替予約をしてくれるのだろう。でも、為替予約にかかるコスト分が手数料となり、その分割高になるから、現地通貨建てがいいはず」と思い込んでいた。現地通貨建てを選ぶべきという結論は合っているが、理由が間違っていた。FPなのに…。
今年の夏休みにスペイン旅行をし、海外ATMでユーロ現金を引き出す際に、ATMの持ち主に12%の手数料を取られる大失敗をしてしまった。帰国後にいろいろ調べていて、「円建てを選択すると、その店(またはATMオーナー)が自由に設定した手数料を取られる」ということを知ることになった。
FPなのにATMの操作ミスで12%も手数料を取られるという大失敗。みなさんが同じ間違いをされないよう、今回はその顛末(てんまつ)をお伝えしよう。
外貨預金から直接決済ができる
デビットカードとは
私は海外旅行にでかける際は、ソニー銀行のVISAデビット(商品名はSony Bank WALLET、以下SBW)というカードを愛用している。
デビットカードは、支払ったときに銀行口座から即時決済されるのが特徴だ。このため利用限度額は、残高の範囲内。海外へ行く際、毎回現地で使うおこづかいの予算を決めるようにしているので、その範囲内でお金を使うには、後日、まとめて請求がくるクレジットカードよりデビットカードが便利なのだ。