GW間近である。海外旅行の予定を組んでいる人もいるのではないか。非日常であるがゆえに、普段は起こらないことがあるのが海外旅行だ。旅行先で思いがけない珍エピソードが生まれることは往々にしてある。(取材・文/フリーライター 武藤弘樹)
海外旅行という非日常
ありえぬミスが起こる温床
旅行とは得てしてテンションが上がるものである。旅行が決まっている日の、下手をすると数ヵ月前からそわそわし、いつもより心が広くなって周りに優しくなり、笑顔は増え、みんなが幸せになる。何かつまらないことが身に起こっても「ここを我慢して乗り切れば数日後には旅の空だ…!」と思えば些末事(さまつじ)に帰する。旅行とはかくも偉大なエネルギーを持っている。
その旅行が海外となるとテンションはもはや収拾がつかない。準備の全てが心を躍らせ、その浮足立った様子が周囲の陰口の対象となるが、本人はハッピーなので知っているのか知らないのかどうでもよく、急に滞在予定の国のファッションにかぶれるなどして暴走を加速させる。
いよいよ迎えた旅行期間中はためにためたその盛り上がりが炸裂(さくれつ)し燃焼していき、日程を消化して旅は最高か最低と結論付けられる。日本で主に暮らす人にとって海外の異文化圏で過ごすこと自体緊張を強いられるものでもあり、それと海外旅行のテンションが相まって正常な判断能力は失われている。普段はやらないようなありえないミスがごく普通に起こりうるのが海外旅行のおそろしいところである。
「やりそうだけどまさかやらないだろう」というミスを実際にやってしまった人たちのエピソードを紹介したい。