最後に頼るべきは生活保護
柔軟で役立つ仕組みをつくれるか

本連載の著者・みわよしこさんの書籍『生活保護リアル』(日本評論社)好評発売中

 用意されている支援メニューがどれも使えない、あるいは全く不十分であるとしても、最後には生活保護がある。「生活に困窮するすべての国民」を、国が救済する制度だ。必要な前提の根本は、「今、困窮しています」という1点のみ。「持ち家が住めない状態になり、貯金がなく、収入もない」という場合、持ち家の処分に着手できていなくても、生活保護の対象になる。義援金があっても同様だ。

 居住が支えられていれば、その後の成り行きは全く異なるだろう。民間でも、いざというときのために空き家・空き室を登録しておく「ちんたい協会」の「セーフティネット住宅」など、様々な取り組みが行われている。しかし、広い範囲に大きな住宅被害が発生する場合には、頼みの綱である空き家・空き室も、被害を受ける可能性が高い。

 おそらく今後は、他に選択肢がないため応急仮設住宅への入居を余儀なくされることや、「仮設から出られない」という人々が数多く取り残されることなど、阪神淡路大震災以来、何回も繰り返されてきた悲劇が、また繰り返されてしまうのではないだろうか。

 そこに追い打ちをかけるのが、特に中小自治体で進められていた過度の人員削減や非正規職員の増加だ。もともとの人員不足は、被災時には、さらに深刻な人員不足になる。

 むろん、自治体間の「応援」の仕組みは存在し、災害のたびに充実し、柔軟かつ有効な仕組みとなっている。しかしそれは、「非・被災地」が存在するから機能する。その事情は、民間保険と同様だ。

 民間保険並みの公共で、日本は大丈夫なのだろうか。そこに、2020年の東京五輪による土木や建設の人手不足が重なっている。

(フリーランス・ライター みわよしこ)