災害に翻弄される日本を
“みんな”で生き延びるには?
災害が、日本列島を揺さぶりつづけている。
本稿では、災害が「もともと困っている人」にどのような影響を与えるかを紹介する。最初に、本年2018年、日本を襲った自然災害を振り返ってみよう。
2018年が豪雪で明けた後、春とともに発生した島根県西部地震(4月9日)は、開幕ベルに過ぎなかったのかもしれない。夏が近づくと大阪府北部地震( 6月19日)、続いて西日本豪雨(6月28日~7月8日)、その衝撃が明けないうちに「逆走台風」こと台風12号(7月25日~8月3日)、台風20号(8月18日~8月24日)の来襲を受けている。
ホッとする間もなく台風21号(8月28日~9月5日)が、四国および関西から東北および北海道にかけて大きな被害を与えた。吹き飛ばされる屋根や物置、橋に突き刺さった船体、横倒しになったトラック、浸水して燃え上がる車、海に流されていくコンテナなどの映像に衝撃を受ける一夜が明けた9月5日、関西国際空港に取り残された約5000人の救出などのニュースに少しだけ安心する間もなく、翌9月6日午前3時過ぎ、北海道胆振東部地震が、北海道の広い範囲に震度5以上の揺れをもたらした。
震度1だった地域も含め、揺れた範囲は、埼玉県以北、北関東・東北・北海道のほぼ全域に及んでいる。当初、最大震度は不明だったが、後に最大震度7と判明した。9月6日夕方現在も、被害状況の把握、ライフラインの復旧、救出などの作業が続いている。
もちろん、過去の災害の影響が終わったわけではない。大阪府北部地震の被災地では、いまだに屋根のブルーシートが目立つ。あまりにも広い範囲に深刻な被害をもたらした西日本豪雨は、現在も多くの地域から「日常」を奪ったままだ。
なお、台風20号の被災は、まだ全貌が把握されているわけではない。勢力を弱めながら東北・北海道を通り過ぎていった台風は、果樹など農業を中心に、東北・北海道に大きな被害を残した様子だが、状況の把握を待たずに北海道胆振東部地震が襲っている。