米国の存在感が
日に日に増している
「President Trump, please make Hong Kong great again」(トランプ大統領、香港をもう一度偉大にしてください)
9月20日、金曜日の午後2時半。香港大学キャンパス内の「大学街」(University Street)に到着すると、若い男女約30人がアメリカ合衆国の国旗・星条旗を片手にこう叫んでいた。全員がマスクを付け、ほとんどが黒服を着ている。ヘルメットやゴーグルを着用している者もいる。
見慣れた光景だ。
米国のドナルド・トランプ大統領が、選挙キャンペーン時から使用してきた政治スローガンを意図的に使っているのは明らかだ。現場には、「共産党を駆逐し、香港を光復させる」、「2020年の立法会選挙で普通選挙権を実現する」、そして、現在米国の超党派議員が提出している「2019年香港人権・民主主義法案」の成立を懇願するなどのプラカードが掲げられていた。
前回コラムで扱ったように、彼ら・彼女らはトランプ政権下の米国に最後の望みを託しているように見える。9月15日(日)に香港島のメインストリートであるヘネシー通り沿いで行われたデモ行進でも、至るところで星条旗が掲げられ、米国の国歌が流れていた。「逃亡犯条例」改正案を引き金に3ヵ月以上続いてきた一連の抗議活動の現場で(2019年6月18日公開「香港デモ現場ルポ、習近平が「香港200万人抗議」を恐れる理由」)、米国の存在感が増しているのを明確に感じる。