企業の「リアル」を伝える
インターンシップの重要性が増す

 とはいえ、働いたことがない学生に正しい選択を、というのも難しい話だろう。そうしたなかで、企業や業界理解を促進させるきっかけになるのが、「インターンシップ」だ。インターンシップを実施する企業は年々増えており、「2社に1社はインターンシップを実施している」(高橋氏)状況だ。

 情報過多の就活においては、学生は早めに情報収集を開始し、就活の軸を見つけることが重要である。その点で、インターンシップは早い段階で業界や企業を知り、理解を深めることに役立つ。実際に、入社した企業や同じ業界についてのインターンシップに参加した学生は、参加しなかった学生と比べて「入社後の会社への満足度が高い」(小林氏)という調査結果もある(参考:「新卒の3割が3年で離職」に歯止めをかける、日本型インターンの真価)

 企業側からしても、「3月の情報解禁時にはすでにエントリーする企業を絞っている学生が多かった」(高橋氏)こともあり、早めに接点を作っておかないと候補群に入ることすらできない状況だ。「3月までにいかに知ってもらうか」(高橋氏)が企業の明暗を分ける、人材獲得の争点となっている。

 これまでのインターンシップは就活ルールとの関係もあり、選考解禁前はあくまでも採用広報的な役割で実施されるのが主流だった。しかし、その方針を定めていた経団連ルールも今年で廃止されることになる。21年卒採用のルールを主導する政府は、「採用直結型インターンシップ」の禁止を要請しているが、現状すでにインターンシップは学生との接点づくりに重要な役割を果たしており、今後その位置づけやルールが変わっていく可能性は大いにありそうだ。

 世界的には、インターンシップは優秀な学生とのマッチングを図る採用上の重要な手段である。企業・学生ともども、インターンシップの活用が今後の就活成功のカギとなるだろう。

(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)