人気企業は狭き門ばかりだが……
本当の「働きがい」とは何か
2019年3月大卒者の就職活動も、実質的に終盤戦を迎えている。売り手市場が続いており、複数の企業から内定や内々定を得ている学生も少なくないだろう。どんなに優秀な人材であっても、実際に就職できる会社は1社のみ。贅沢な悩みとも言えるが、一生を左右するかもしれない選択と考えると、迷うのも仕方ない。そこで、就職先を選ぶ際に有効な判断軸について考えてみよう。新卒者だけでなく、転職を検討する際にも役立つのではないだろうか。
これは、マイナビが日本経済新聞社と共同で2018年卒の学生(文系)を対象に調査した、就職企業人気ランキングだ。就活生が参考にするランキングとしては最もポピュラーなものの1つであり、誰もが知っている有名企業がズラリと並んでいる。
このようなランキング上位の企業に入れる学生は、少数派に過ぎない。これまで大量の新卒者を受け入れてきたメガバンク各社は、足もとで社員数の削減を打ち出している。航空会社や総合商社なども、それほど多くの人数は採用しない。やはり、人気企業は極めて「狭き門」なのである。
また学生にとって、周囲の人気が高いからと言って、その企業が自らの就職先として相応しいかどうかはわからない。実際に入社したわけではないので、イメージが先行してしまう傾向が強い。身近な商品やサービスを扱っていたり、テレビCMがおしゃれだったりと、企業の良い面ばかりを見て影響を受けてしまう人も多いだろう。
では、何を基準に「本当に自分に合った就職先」を選べばいいのか。
それには、実際に働いている社員の意見に耳を傾けてみるのが一番だが、不特定多数の企業で働く社員の「生の声」をつぶさに知ることは不可能だ。そこで、世の中のトレンドを俯瞰する上で参考になるのが、ユニークな調査方法や目線によって、社員が感じている「働きがい」を分析した、2つの企業ランキングである。