サウジアラビアの石油関施設が攻撃を受け、世界市場におけるシェールオイルの重要性がこれまで以上に高まる中、技術革新(イノベーション)の停滞のため米シェールブームが減速している。米エネルギー省によれば、1~6月の米原油生産量の伸びは1%未満で、前年同期の7%増を下回った。今回の減速は、世界的な原油価格下落を受けてシェール生産量が減少した数年前とは、背景が異なる。運用上の問題が原因の一部になっており、シェール層まで到達する井戸を密集して掘削したため各井戸からの生産量が予測を下回ったケースや、いわゆる「スイートスポット」での生産量が想定よりも早く枯渇したなどの例が含まれるという。エネルギー省によれば米国の原油生産量は今年、平均して日量1220万バレルに到達する見通し。だが日量1100万バレルだった昨年はすさまじいスピードで生産量が増えたため、今年の伸びは限定されるという。ダラス地区連銀の9月のリポートによれば、主要な産油地域では経済活動が減速し雇用率が低下している場所もある。