9月28日、ラグビー日本代表は世界ランキング2位のアイルランドと対戦した。事前の見立てではアイルランド優勢だったが、蓋を開けてみれば、19対12で日本が見事勝利。前回W杯の対南アフリカ戦に続いて、2大会連続のジャイアントキリングを果たした。今回の試合のポイントや勝因、今後の展望を元ラグビー日本代表で、初の著書『ラグビーは3つのルールで熱狂できる』(ワニブックス)を上梓した大西将太郎氏に聞いた。
3点差でしのいだ
前半の結果こそがすべて
まずざっと試合内容を振り返ろう。
前半は、アイルランドのキックパスを駆使したトライを2本許した日本。しかし、日本も決して負けておらず、粘り強く攻め続けるうちに、相手の反則を誘う。結果的にSO(スタンドオフ)の田村優選手がペナルティキック(3点)を3本成功させ、9対12で前半を折り返した。
この互角に渡り合えた前半こそがこの試合の大きなポイントだったと、大西氏は振り返る。
「試合開始前まで、最低でも2トライ2ゴール差以内に抑えてほしいと考えていましたが、前半をたった3点差のビハインドで乗り越えたことが今回の勝因のすべてといっていいでしょう。アイルランドは前半の早い時間帯で簡単にトライを取れたので油断してしまい、より日本が戦いやすくなった面もあったかもしれません。ただそれを抜きにしても、予想以上に相手の攻めに日本が対応できたといえます」