世界貿易機関(WTO)が2日、欧州連合(EU)による欧州航空・防衛大手エアバス・グループへの補助金を巡り報復関税を承認したことを受け、ドナルド・トランプ米政権はEU製品75億ドル(約8060億円)相当に対する関税の早期導入に動いている。米通商代表部(USTR)事務局は10月18日に関税を発動する。USTR高官が明らかにした。米国が昨年、鉄鋼・アルミニウム関税を発動して以降、欧州に対する関税としては最大規模の措置拡大となる。トランプ政権が世界を相手に繰り広げる貿易摩擦に新たな側面が加わる可能性がある。エアバスと米ボーイングへの支援プログラムを巡り15年にわたった係争を経て、WTOは米国が75億ドル相当の製品に最大100%の関税を課すことを認める判断を下した。EUも別途、米国のボーイングへの補助金に関してWTOに提訴しており、これについては来年前半に措置が決まる。WTOはこの補助金も過去に協定違反と判断しており、EUに認める対米関税の規模を発表することになるとみられる。