これまでの人材採用では大企業が圧倒的に有利だったが、リファラル採用においては組織に変革を起こしやすい中小企業、スタートアップが採用力を高めていける可能性が十分にある。鈴木氏は今後の目標として「適切な雇用の流動化を図っていきたい」と語る。

株式会社MyRefern(マイリファー)の鈴木貴史CEO

「日本はかつて1人当たりGDP第2位の経済大国だったにもかかわらず、いまや26位にまで落ちてしまいました。私はこの根底に、終身雇用や年功序列といったガラパゴス化された雇用マーケットの影響があると考えています。

 リファラル採用を活性化していければ、人々のキャリアの選択肢は増え、健全な流動化が起こります。日本では離職が後ろ向きにとらえられてきましたが、欧米のように生涯転職回数が増え、次のチャレンジを歓迎する社会が実現できれば、この国はもっと強くなれると思います」(鈴木氏)

 リファラル採用は劇的に人材不足を改善する魔法のつえではないが、正しく運用すれば内部から少しずつ組織を変える効果が見込める。多くの企業で新たな求職トレンドへの対応の遅れが見られる今、変わる覚悟を持った企業から採用市場での勝利を収めていくのではないだろうか。

◎鈴木貴史(すずき・たかふみ)
1988年、和歌山県生まれ。2012年、株式会社インテリジェンス(現・パーソルキャリア株式会社)に入社。IT・ネット業界を中心に500社以上の中途採用を支援した後、サービス開発部で新規事業企画に従事。2014年にグループ歴代最年少で社内ベンチャー制度を活用し、1億円の社内出資を得てリファラルリクルーティング事業『MyRefer』を立ち上げる。9ヵ月で黒字化を実現し、新規事業開発部ゼネラルマネジャーとして同社の新規事業拡大をけん引、リファラル採用の概念を提唱する。2018年、事業譲渡によりMBOを経て完全独立し、株式会社MyReferを設立。代表取締役社長CEOに就任