「この会社でよかったのか――」
売り手でも、学生の不安が消えない理由
10月1日を迎え、多くの企業で内定式が執り行われる。企業規模にかかわらず、内定を出した学生が内定式にそろうかどうか戦々恐々の人事担当者は少なくないだろう。近年、新卒採用は学生優位の「超売り手市場」が続いているからだ。
経団連が定める就活スケジュールは、3年前(2017年卒入社)に採用広報の解禁3月、選考開始6月となって以来変わらないが、売り手市場の影響で就活の早期化が進んでいる。
加えて、複数社の内々定を保有する学生も増えている。就職情報サイト「マイナビ」が就活生を対象に今年8月に実施した調査によれば、内々定を獲得した学生(調査対象者全体の82.6%)の平均内々定保有社数は2.4社(2019年8月時点)※だった。
※2020年卒マイナビ大学生内定率調査(2019年8月)
このように、内定が「決まりやすい」状況だといえるが、学生が「自分に合う会社を正しく選べているか」というと疑問符が付く。前出のマイナビの調査では、入社予定先を決定した後に「本当にこの会社でいいのか」不安になったことがあると答えた学生は、52.8%と半数以上に上っているのだ。