トランプ米大統領が、過激派組織「イスラム国(IS)」を破ったことは外交政策の大きな成功例だ。しかしトランプ氏が今、シリアからの米軍撤退を進めることで、その成功は台無しになるかもしれない。それは米国の同盟諸国に対し、米政府は信頼できないとのメッセージを送ることにもなる。トランプ氏は6日遅くに突然、シリア北部から米軍を撤退させ、その後の対応をトルコに任せる決断を下した。米、トルコ両国政府はこれまで、シリア北部での紛争を回避するために緩衝地帯を設ける交渉を行っていた。しかし米政府は6日、米軍がこの地域をトルコ軍に明け渡すと発表した。トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン大統領は、シリア領内のクルド人に対し、思いのままに戦争を仕掛けることが可能となった。そのクルド人は、ISとの戦いで米国の最も重要な同盟相手だった。
【社説】それでも友人か クルド人見捨てる米国
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