OODAループはアメリカ軍で世界の兵法や戦略理論を研究した成果をもとに開発され、シリコンバレーの起業家を中心に、アメリカのビジネスエリートに活用されるようになった思考法です。変化の激しい時代に速く的確に行動するために必要な知的技術と言えます。OODAループ第一人者の戦略コンサルタントが、日本人のためにわかりやすく、実践しやすいマニュアルとして解説したのが、『OODAループ思考[入門] 日本人のための世界最速思考マニュアル』です。本書のウェブ版である本連載ではポイントだけを、よりコンパクトに紹介します。

「効果起点」で「主体的」だから、OODAループ思考なら速く動けるPhoto: Adobe Stock

効果が期待できるかどうか。それが行動基準

OODAループでは、効果が期待できないことは一切しません。
どんな結果を望んでいるのか、目的は何かを明確にして、それに資することだけを考えて行動します。

無駄な行為や時間を徹底的に省いて、目的に向かって一直線に進み、効果があることに優先して集中すれば、速く成果が出ます。

この効果起点が、OODAループが速い第5の理由です。

OODAループでは、何かを考えたり行動したりするときはいつも効果を意識します。

ですから、常に速く行動するだけとは限りません。気づいて、意味づけた結果、今は動くタイミングではないとか、無駄な行動になると判断して何もしないこともあります。

OODAループの父であるジョン・ボイドが傾倒した宮本武蔵は、「拍子」という言葉を使って、タイミングの重要性を訴えています。

重要なのはタイムリーであることで、やらないことも俊敏に判断する必要があります。