「企画プレゼンが通らない」「営業先の反応が弱い」「プレゼン資料の作成に時間がかかる…」など、プレゼンに関する悩みは尽きません。そんなビジネスパーソンの悩みに応えて、累計25万部を突破した『社内プレゼンの資料作成術』『社外プレゼンの資料作成術』シリーズの最新刊『プレゼン資料のデザイン図鑑』が絶賛発売中です。この連載では、同書のコンテンツを紹介しながら、著者・前田鎌利氏がソフトバンク在籍時に孫正義社長から何度も「一発OK」を勝ち取り、ソフトバンク、ヤフーをはじめ約600社に採用された「最強のプレゼン資料作成術」のエッセンスをお伝えします。

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 早速ですが、このプレゼン・スライドをご覧ください。

 これは、ある会社で展開しているAサービスの「2018年実績報告」と「2019年・2020年の売上予測」を示すスライドです。年々、順調に売上が伸びており、将来的にもおおいに期待できることが、わかりやすく表現されていますが、非常に“危険”なスライドでもあります。

 なぜ危険なのかというと、スライド内の赤字にあるように、「実績値」と「予測値」を同等に扱っているからです。これでは、意思決定者に「予測値を実績値のように見せて、何かをごまかそうとしているのか?」といった疑念をもたれても仕方ないでしょう。

 意思決定者は、短時間で意思決定をしなければならないため、強い緊張感をもってスライドを見ますから、少しでも疑念をもたれるような部分があれば、それだけでプレゼンに対してネガティブな印象をもたれてしまいます。そのような疑念をもたれないように、十分に注意しなければならないのです。

 このスライドでの問題点は2つあります。
 まず棒グラフから見てみましょう。2016〜2018年は「実績値」なので実線グラフで問題ありませんが、2019〜2020年は「予測値」であり「確定値」ではありません。あくまでも「仮説」であり、悪く言えば「取らぬ狸の皮算用」なわけです。であれば、「実績値」と同じ実線グラフにするのは不適切。「予測値」であることが明確にわかるようなデザインを施すべきでしょう。

 もうひとつの問題が、売上増を印象づけるための矢印です。
 棒グラフにおいて、売上実績などの増減を強調するために、このような矢印を使うのは非常に効果的なのですが、「予測値」の入ったグラフで矢印を使うと、「確実にそうなる」という印象操作をしているように取られかねません。「予測グラフ」で、このような矢印を使うのはNG。ささいなことと思われるかもしれませんが、意思決定者に一瞬で「アウト」と思われる”重大なミス”なのです。

 では、これらの問題点をクリアしたスライドを見てみましょう。

 ご覧のとおり、「予測値」の棒グラフは、実線ではなく点線を使い、グレーを使用するとともに、矢印はカットしています。このようなスライドを用意すれば、意思決定者に余計な疑念を抱かせず、適切な意思決定をしてもらいやすくなるでしょう。

 このように、プレゼン資料をつくるときには、意思決定者に一切の疑念をもたれないように細心の注意を払うようにしてください。それだけで、「一発OK」を勝ち取る確率を上げることができるはずです。