育児休暇中、「元の仕事に戻れるのか?」と悩む女性は少なくない。そんななか、育休中の女性が週5~10時間ほど他社の事業支援を行い、それを通じて自身のキャリアを見つめ直すというプログラムが好評を博している。

育休中の女性向けの
実践的キャリアプログラム

mogのメンバー
女性が仕事を通して自己実現できる社会を目指し、ワーキングママのキャリア支援や転職支援に取り組む株式会社mogの皆さん。育休中女性向け「ママステラ」は、代表取締役社長・稲田明恵さん(左から2人目)が取締役副社長・金子麻由子さん(同3人目)らと共に前職時代に立ち上げたサービスが元になっている

 今、育児休業中の女性たちがアクティブだ。大学院の講座に通ってMBAを取得したり、インターン(業務体験)に取り組んだりと、育休中、出産・育児の合間を縫って自分自身を高めるための活動や勉強に勤しむ女性は、この数年で急増している。

 その背景にあるのは、「キャリアのブランク」に対する不安だ。育児休業制度や社会保障が充実し、かつてに比べれば、出産を経ても働き続けやすくなっている。しかし、出産のタイミングはちょうど社会人経験を重ねて仕事が面白くなる時期と重なる場合も多く、「元の仕事に戻れるだろうか?」「長期間の育休で仕事の感覚を失うのではないか?」といった不安感はなくならない。

 育休中の女性が学ぶサービスも充実の方向にある。育休中の「不安」を「自信」に変えることを狙いとした、中小企業の事業支援を通じた実践的キャリアプログラム「ママステラ」も、そんなサービスの1つだ。これは、育休中の女性に、他社での事業支援を核として自身のキャリアを見つめ直す機会を提供するもので、ママのキャリア支援を手がける株式会社mogが今年10月に始めた。

 このルーツは、同社の稲田明恵社長らが総合人材サービスのパーソルホールディングス勤務時代、子育て中の同僚女性社員3人と共に提案し、社会的な課題を自社の強みで解決するCSV(Creating Shared Value)として立ち上げたサービスにある。

「アイデアの起点になったのは、メンバーの実体験でした。育休明けにサポート的な仕事に就き、かつて責任ある仕事をこなしていた頃の自分と比べて虚しさを感じてしまうという話が上がったのです。しかし、それは『無理なく働けるように』との会社側の配慮。どんな仕事をしたいか、どう働きたいか、本人が発信しない限り周囲にはわかりません。ワーキングマザーがいきいき働くためには、自分の今後のキャリアについて、しっかり人に語れることが大切だと感じました。そこで、育休中のうちに自己理解とキャリア設計に生かせる経験ができるよう、育休女性と企業をつなぐボランティアマッチングの仕組みを考えたのです」(稲田さん、以下同)