そんな病気の代表は「眼瞼けいれん」だ。若倉医師が開設する神経・心療眼科外来では、患者のおよそ40%を占めているという。

若倉医師若倉医師 Photo by Hiromi Kihara

「けいれん」という病名がついているので、何となく「ピクピクする病気」と思われがちだが違う。片側の目の周りや、頬や口がピクピクと動く病気は「顔面けいれん」。眼瞼けいれんのほうは必ずしもピクピクはしない。自由に目が開けにくくなったり、瞬きが増えたりする、いわば目の開け閉めのスイッチが故障した状態となる。

 主たる自覚症状は「まぶしい」「目が乾いた感じがする」「目をつぶっているほうが楽」あるいは「自然と両目あるいは片目が閉じてしまう」など。パソコンやスマホで目を酷使する人が増えている影響で増えている「ドライアイ」と似ているが、ドライアイの治療をしてもよくなることはない。

「私は、ドライアイと診断されている患者さんの、10分の1程度は眼瞼けいれんだと考えています。日本眼科学会のホームページによれば、ドライアイの患者は800万から2200万人存在しているので、一般の眼科医は、1週間に数人の眼瞼けいれん患者を診ても、よりありふれたドライアイと診断してしまう可能性があります」

 眼瞼けいれんは、40~50歳以上に多く、女性は男性の2.5倍もかかりやすい。目がまったく開けられないほど重症な例は少ないが、一見しただけでは分からないような軽症例を含めると、日本には少なくとも30万~50万人以上の患者がいると推定されている。とくに、睡眠導入薬を連用している人は注意だ。

 以下は、若倉医師に教わった、ドライアイにはない「眼瞼けいれん」の7つの特徴だ。複数当てはまる場合には、眼瞼けいれんである可能性が高いので、一般の眼科ではなく、神経眼科の受診をお勧めする。

※日本神経眼科学会のホームページ内、「神経眼科相談医」から探す
http://www.shinkeiganka.com/

1.目を細めてまぶしそうな表情をする
2.薄目で下向きの姿勢が楽だと気づいている
3.素早い連続的なまばたきができない
4.薄暗いところでもまぶしさを自覚する
5.両目を開けているより、片目をつぶると楽
6.ものや人にぶつかりやすい
7.突然金縛りにあったように目が開かなくなる