「プラスアルファがある習い事だからこそ、好評なのでしょうね」

 そう語るのはR'sの広報担当者だ。折からの“婚活ブーム”の波に乗って話題となっている同社のサービスは、「料理教室合コン」、通称“リョウコン”である。

 同社は、小規模の料理教室を借り、その場を「合コン会場」として使用することで、未婚の男女に新しい出会いの場を提供している。

 “リョウコン”は、東京や横浜を中心に、なんと月200回近く開催されているという。なかでも「男性◯代前半、女性◯代後半」など年齢で限定したコースや、映画や旅行といった共通の趣味を持つ人たちを集めたコースは、特に人気があるという。

 ただし、「一回につき男性7000円前後、女性6000円前後」と、一般的な料理教室よりも参加料は割高だ。それでも、「料理という共同作業を通じてお互いの“素”を垣間見れたり、結婚生活をイメージできるのがうれしい」と人気は上々で、“優良な出会い”を求める男女のニーズをがっちり掴むことに成功した。

 この“リョウコン”ばかりでなく、昨今では一風変わった“習い事”が続々と登場しており、人気が高まっているという。ユニークな習い事が増えている背景には、「お稽古・習い事市場」が大きな変化の兆しを見せ始めていることがある。

英会話にフィットネス、
従来型モデルは客離れ

 矢野経済研究所が今年5月に発表した「お稽古・習い事市場に関する調査結果 2009」によると、2008年のお稽古・習い事市場は、1兆8058億円と前年を1.1%下回るマイナス成長となった。

 さらに2009年には、景況悪化の影響から受講費の高い「お稽古・習い事」の参加率が低下すると見られており、市場はさらに縮小すると予測されている。

 特に縮小が著しいのが、これまで市場を牽引して来た英会話などの「語学スクール」だ。市場が飽和状態に陥っていることに加え、07年10月に業界大手のNOVAが経営破綻して利用者の疑心暗鬼が高まっていることもあり、客離れが進んでいるようだ。