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1月5日付記事「30年で変わるはずでは?『整備新幹線の貸付料』でJR東と国が対決姿勢、その『根本原因』とは」にて、国土交通省の「今後の整備新幹線の貸付のあり方に関する小委員」が実施したJR東日本のヒアリングについて分析した。その後、1月15日にJR西日本、2月16日にJR九州、JR北海道に対するヒアリングが実施され、整備新幹線を抱える全社のスタンスが明らかになった。JR西日本の地域まちづくり本部交通まちづくり部門部長の西本英二氏、同本部交通(整備新幹線)担当課長の田村暢慶氏への取材をふまえ、論点を整理したい。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)
整備新幹線の
貸付料の仕組みとは
前掲記事で取り上げたように、1991年にJR東日本と運輸省は「31年目以降の貸付料」について「確認事項」を締結している。詳細は前回記事をご覧いただきたいが、ざっくりまとめると「31年目以降は現行制度と異なる考え方で貸付料を決定すること」「改定後の貸付料は現在の額を上回らないこと」である。
改めて貸付料の仕組みを確認しておこう。現行制度は1997年9月10日(高崎~長野間開業の3週間前)の運輸大臣通達を根拠としている。要約すると「新幹線を建設する場合の収益(with)」と「建設しない場合の収益(without)」の差額(受益)の30年間の累計額を、開業から30年間の固定額で支払うというものだ。なお「新幹線を建設する場合の収益」とは、既開業区間(関連線区)の増収分、並行在来線の経営分離による収支改善分も含まれる。
「収益」は一般的に売上高を指すが、貸付料においては運賃収入、料金収入、広告料・構内営業料収入から、固定費、変動費、減価償却費などの費用を差し引いた、いわゆる「利益」を意味する。
つまり貸付料の算出にあたっては、線路や架線、車両の維持管理・修繕工事、車両や鉄道施設の減価償却費、固定資産税などの租税、管理費なども含まれている。これらの費用は、実態としては営業主体(JR各社)が負担しているが、その分を貸付料から差し引いているので全体としてはニュートラルになる。







