エスパー米国防長官は13日、トランプ大統領の指示でシリア北部に駐留する約1000人の米軍を全面撤収させると述べた。トルコにとっては、シリア侵攻の最後の障害が取り除かれた格好で、過激派組織「イスラム国」(IS)に対する国際的な壊滅作戦から米国が退いていることが一段と鮮明となった。米軍は13日、11日のトルコによる砲撃について、米軍の駐留地域近辺を意図的に狙ったものと指摘。砲撃を受けてクルド系の治安部隊が退避すると、ISの戦闘員の親族数百人が難民キャンプを脱出した。こうした動きを受けて、ムニューシン財務長官らトランプ政権幹部はトルコに繰り返し制裁の構えを示している。反トランプ陣営は、米国の味方であるクルド人を見捨て、トルコの攻撃を容認したとして大統領を非難した。