ドイツの自動車業界は、今後一段と険しい悪路に直面する見通しだが、現在も張り詰めた空気をはらんでいる。独自動車メーカーの7-9月期(第3四半期)決算シーズンは、メルセデス・ベンツのメーカー、ダイムラーによる来週の発表で幕開けする。上半期には利益下方修正の予想や警戒すべきマクロ経済指標が相次いでいたが、今シーズンは基調が改善しそうだ。ただし、投資家は先行きが明るいと勘違いしない方がいい。ドイツ2大自動車メーカーのフォルクスワーゲンもダイムラーも、下半期には販売が上向くとの見通しを投資家に伝えている。9月にもドイツでの自動車生産――確かにグローバル化が進む業界の一部を反映するバロメーターにすぎない――は改善した。夏には年率換算の生産台数が少なくとも2008年以降の最低に落ち込んでいた。
独自動車メーカー、下期改善でも油断は禁物
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