マリオ・ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁にとって最後となった24日の理事会は、8年間の任期に「通貨ユーロの救世主」として手腕を高く評価されたドラギ氏の功績をたたえる場となるはずだった。だが、ドラギ氏は気まずい雰囲気の中で、ECBを去ることになる。11月1日には、クリスティーヌ・ラガルド氏が正式にECB総裁に就任する。内部対立と外部の圧力に深くさいなまれるECBが果たして、ドラギ氏の最後の置き土産である大規模な金融緩和策を実行に移せるのか、疑問視する声も上がる。ドラギ氏は先月、ユーロ圏のリセッション(景気後退)回避に必要だとして、マイナス金利の深掘りと巨額の債券買い入れ策を打ち出した。だがインフレ押し上げに向けた大規模な緩和策を巡っては批判も高まっており、先行きには疑問符が付いている。
「ユーロ救世主」ドラギ氏、対立深まるECBに別れ
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